【元不動産屋が伝授!】良い賃貸不動産会社はこうやって選ぶべし

迷って決まらない…元不動産屋おススメは「てんびん式比較法」

気になる部屋を実際に見たのはいいけど、この物件は○○はいいのに△△が気に入らない、あっちの物件は△△はいいけど××がダメ。条件にかなう部屋、もっと他にあるんじゃないだろうか…という部屋探しにありがちな「負の無限ループ」は、一度ハマるとなかなか抜け出せないものです。

元不動産屋の経験上、物件を即決できるタイプのお客様は多くはありません。引越の時期が目の前に迫っている転勤のお客様であっても、迷うときは期限ギリギリまで迷ってしまうんですよね。

希望条件をしっかり検討した上で柔軟に考えられるお客様ほど気に入った物件をすぐに決められるのですが、どうしても迷って決められないときには「てんびん式比較法」で考えるのをおススメしています。

実は、最初にお話しした「負の無限ループ」はダメなところを基準にする考え方です。条件に合わない部分に重点を置いて考えだすからキリがなくなってしまうんですね。デメリットをどう妥協するかという風に考えるから部屋探しも気が滅入るし、余計に「やっぱり妥協は嫌だ」という気持ちにもなってしまいます。

もちろん、妥協できるポイント探しは重要です。たとえば、思っていたよりも通勤に時間がかかるけど、このくらいならなんとか頑張れるか!という感じで考えられれば、入居後も満足して住むことができるはずです。

その点、てんびん式比較法はまずダメな部分や気に入らない部分を一旦脇に置いて、物件の気に入った部分をてんびんにかけます。例を挙げてみます。

たとえば一人暮らしの女性が部屋探しをしているとします。1件目の候補は新築の最上階角部屋でロケーション抜群だけど、家賃が予算オーバーでしかも最寄駅から徒歩20分の距離がある、という設定です。

もう1件の候補が駅近で利便性の高い立地の築浅マンション1階だとしましょう。ただ、1階で多少防犯上の不安があり、さらにエアコンがついていなかったとします。迷いどころ満載の候補たちですね。

さて、この2つの物件に実際に住んだとイメージしてみてください。その時、デメリットではなく物件の気に入った部分を最大限堪能している生活を思い浮かべるようにします。

新築物件なら…毎日仕事帰りには好きなお酒を買って、バルコニーから景色を見ながら晩酌できる!天気がいい日は安心して布団や洗濯物が干せて気持ちよさそう!新築だから未使用の最新設備で部屋の環境は文句なし!

築浅マンションだったら…駅が近いから今までより朝は少しゆっくり寝られるかも!仕事で遅くなって疲れててもコンビニやスーパーが近いから重たい買い物袋を運ぶ距離も少なくて済む!友達と駅前で飲んでもすぐ帰れるし!

2つを比較して、より満足している自分を想像できるのはどちらでしょうか?その満足を得るためなら、物件のデメリットの部分にできる限りの対策を打つことができますか?

ポイントはライフスタイルでどこに重点を置いているのか、です。仕事やお出かけが重要なら利便性がいい方が満足でしょうし、プライベートなひとり時間が重要なら部屋にいる時間が長くなる分、設備充実度やロケーション重視の方が満足できます。

本当の満足のためなら多少のデメリットはカバーできるし気にならなくなります。こうして満足度を前提にした上でデメリットを見つめ直すことで、負の無限ループから抜け出したお客様をたくさん見てきました。

部屋探しは本来、楽しむものです。立地や設備だけでなく他の条件でも考え方は同じ。気に入らない部分がいかに少ないかではなく、満足する部分がいかに大きいかを基準にする「てんびん式比較法」でぜひ考えてみてください!