初期費用が安いのはトク?知らないと損するフリーレントのしくみ

気に入った物件は少し予算オーバー。毎月の家賃は頑張れても、契約金が…そんな時、ネットや募集図面に「家賃○ヶ月分無料」と書かれた物件を見たら気になっちゃいますよね。

一定期間の家賃を無料にするサービスを「フリーレント」と言います。通常1ヶ月~3ヶ月分の家賃サービスですが、日割り家賃分、さらに6ヶ月無料なんていう物件もあります。

賃貸物件の契約金は家賃の3~5ヵ月分相当になりますが、この中には当月分と翌月分の家賃が含まれていますから、家賃無料の期間があればその分契約金が安くなります。

でも家賃を無料にするってなんかウラがあるのでは?とお感じの方、大正解です!無料にできる理由がちゃんとあるんです。フリーレントのしくみ、そしてフリーレントがおトクにならないケースをご説明します。

まずはフリーレントのしくみです。ここでちょっと大家さんの立場で考えてみましょう。たとえば家賃5万円の部屋が空室だったと仮定します。今後もし半年間空室だとしたら、損失は5万×6ヶ月=30万円ですね。

では空室を埋めるために家賃を1万円下げたとしましょう。当月に入居者が決まり1年間住んでくれたとしたら、損失額は値下げした-1万×12ヶ月=-12万円となります。

これを、家賃を値下げせずに1ヶ月分の家賃を無料にして、当月入居してもらい同じく1年間住んでくれたとしたらどうでしょうか。損失額はサービスした分の-5万円となります。

あなたが大家さんだったら、どれを選びますか?家賃の値下げはよほどのことがない限り元には戻せません。長い目で見れば家賃をサービスしたほうが大家さんにとってメリットが大きいのは一目瞭然ですね。入居者は初期費用を安く、大家さんは空室が埋まり損失が少ない、双方にメリットがあるしくみなのです。

でも、フリーレントがおトクにならないケースもあります。

もし入居者がすぐに退去してしまったら…大家さんの損失は当然大きくなります。そこでフリーレントには「短期違約金」という特約が付きます。半年~1年以内に退去する場合には、違約金としてサービス分相当の金額を退去時に支払わなければならないという条件です。

違約金の発生する期間は、フリーレントの金額や大家さん、不動産会社によって異なりますから、必ず条件を確認することが重要です。

違約金が発生するのに退去理由は問われません。転勤でも住み替えでも、家庭の事情があったとしても、どんな理由であれその期間に退去することになればアウト。ですから短期間の引越を考えている方にはフリーレントはおトクとは言えないのです。契約時は安くても退去時に高くつく、要するにチャラ、ですね。

「家賃○ヶ月分無料」に飛びつきたくなる気持ちもわかりますが、ライフスタイルを良く考え、本当におトクなのかを判断することが必要です。

ただそうは言っても、何かとお金のかかる引越初期に契約金を抑えて他の出費に回せたら…負担も少し軽くなると思いませんか?

ネットや募集図面にフリーレントの掲載がある場合は、すでに大家さんとの交渉が済んでいる状態です。おそらくある程度長い期間空室になってしまっていることが考えられますが、希望条件に合う物件ならこんなにラッキーなことはないですよね!

情報には載っていないけれど、交渉次第でフリーレントが扱えることもあります。はやる気持ちから「家賃サービスとかってないんですか?」など直接的に尋ねるのはセンスがありません。気に入った物件をすぐに決めたいんだけど、もう少し安かったらな…という感じで不動産屋にお願いしてみましょう。

フリーレントを上手に使って、おトクな部屋探しをしてくださいね。