ほとんどの人が最初に決めた条件と異なる物件を契約する理由

こだわりの絶対条件。ここだけは譲れないとあちこちの不動産会社を訪ね回って、最終的に疲れ果ててしまう…よくありがちな部屋探し失敗のパターンです。見つかるまで根気よく探せる人はごくわずかで、結局、希望とかけ離れた物件しか選べず、泣く泣く契約していかれるお客様もいらっしゃいました。

不動産屋として、一番残念なパターンです。あの時ちょっとだけ妥協できたら今頃は…とどうしても考えてしまいます。

こだわりを持つことは大切なのですが、欲張りすぎて希望条件を満たせないばかりか住みにくい部屋に住まなければならない。そんなの悲しいですよね?

ですが部屋探しに成功し、満足できる新生活を送れるほとんどの人は、最初に考えていた希望条件には当てはまらない部屋を選んでいます。その理由を2つほどご説明しますね。

1つ目は、現実的に考えていてなおかつ「直感」を大切にしているから。

近年は、部屋を下見する時間が取れずネットの情報や物件資料だけで部屋を決める方も増えています。そういった方は特にポイントを絞った条件だけを考え、あとは妥協できるのだと皆さんおっしゃいます。とても現実的なんですね。

実際に物件を見ることができる場合でも、希望条件に幅を持たせていて、いくつかの部屋を見てすぐに決められる方ほど満足度が高いのです。事前に十分に希望条件を検討していて、さほど迷いがないという点から見ると、理想と現実をしっかり分けて考えていらっしゃるのだと思います。

さらに、物件を見てすぐに決められる方は、見た後すぐに「気に入った」とおっしゃることが多いです。部屋に入って感じられた「直感」に従うんですね。あれこれ悩むところはあっても、気に入ったのだから迷っている間に他の人に取られたくない、そう感じるようです。

新居に夢を持たないのではありません。現実的に考える人は、夢のバリエーションが豊かなのです。

そして2つ目は、不動産屋のアドバイスを聞いて希望条件を広げた場合です。

最初に家賃△万円が絶対条件と言われている方ほど、「こんなのもありますよ」と築年数の経っていない新しい物件を紹介すると断然そちらの方が良く思えて、予算より1万円ほど高いのに契約されます。私は経験上、家賃の条件ほど曖昧なものはないと確信しているくらいです。

反対に、新築物件にこだわりを持っていらっしゃった方に築6,7年の物件をご紹介し、思っていたよりも古くなくてしかも家賃が安い!と喜んで契約されることもあるのです。

ほかにも、通勤時間は車で15分圏内という方が30分かけて通うことになっても新築を選ばれたり、キャンペーン適用で契約金が安くなるのならと築20年の手狭な部屋を契約したり。最初の条件とは全く違う部屋に決めても、とても満足されています。

ここは考えどころなのでしょうが、良い不動産会社を選び、アドバイスを聞いてみると、自分が決めた条件よりも「良い」と感じられる可能性が上がることがあるんです。選択肢が増えるという言い方もできます。

信用できないと決め込んでいるからか、一方的に「他にもいい物件はないか」とおっしゃる方が結構多いのが事実です。それはそれで無理に止めろと言うつもりはないのですが、早くいい情報を得たいのなら、不動産屋を信じていろいろ相談しながら一緒になって条件を考えてみるのがホントの近道なんですよ。

もちろん希望条件にぴったり合った物件に出会えるのがベストですよね。でも、臨機応変に部屋探しを考えて柔軟に対応できるかどうか。最後に笑顔を見ることができるのは、こんな考え方ができるお客様なのです。