初めての一人暮らし、同棲や結婚、転勤など、新しく部屋を借りるときはワクワクしますよね。希望に胸が膨らんだり、新天地での決意を固めたり…どれもこれも満足できる新居あってこそではないでしょうか。

それなのに、もしも新居選びを失敗してしまったら…考えただけでゾッとしませんか?

このサイトでは賃貸不動産会社に勤めていた元不動産屋から見た良い不動産会社の選び方を、裏話を交えながらお伝えしていきます。ありがちなワナや抑えるべきポイントなどを参考に、より上手に部屋探しを楽しんでいただきたいのです。

良い不動産会社との出会いが部屋探し成功のカギを握る

そもそも部屋を探すのに、なぜ不動産会社を選ぶ必要があるのでしょうか?それは、満足できる部屋を見つけ安心して住めるかどうかが不動産屋にかかっているからです。

部屋探し成功は希望の条件を満たす部屋を契約できるかどうかだと思われがちです。ですが正直、望む条件にぴったり当てはまる部屋はほぼありません。

立地選びから設計施工まで希望通りに注文できる住宅購入とは異なり、既にある物件の中で希望条件をどれだけ満たせるか?という観点で探していく作業なのです。

ということは、希望をよく聞き入れてくれて、プロの適切なアドバイスをくれ、持っている多くの情報をタイミング良く提供してくれる不動産屋だったら成功しやすいですよね。

逆を言えば、持っている情報が少ない、もしくは出し惜しみされてしまっては部屋探しは失敗なのです。

「不動産屋が思わず良くしてあげたくなるお客様」になる

持っている情報が少ない不動産会社を見抜くのは比較的簡単です。今はネットで部屋探しが主流ですから、ネットに力を入れていない不動産会社は間違いなく情報が少ないか、賃貸をあまり重要視していないと判断できます。

ではネットに載っている、さらにTVCMなど露出の多い不動産会社ならどこも同じでしょうか?その中からどうやって選べばよいでしょうか?

ポイントは、情報を引き出せるかどうか。つまり、あなたのために情報を出してあげたいと不動産屋に思ってもらえるかどうか、なんです。

こんなことを言うと殿様商売などと思われてしまいそうですが、不動産屋も人間です。良い人間関係には必ず、双方に満足感が生まれます。元不動産屋の経験から申し上げても、こちらが「良くしてあげたいな」と感じるお客様の満足度は、そうでないお客様と比べて確実に高いんです。

約束をきちんと守ってくれる、適度にアドバイスも受け入れてくれる、真剣に部屋を探しているのが目に見えてわかる。そんなお客様にはより一層力になってあげたいと思うものなんですよね。

不動産屋がつい良くしてあげたくなっちゃうお客様になる。早い話、不動産屋と仲良くなれるかどうか、が部屋探しの最大のコツと言っても過言ではありません。もちろん「演じる」だって構わないと思います。騙されたと思って、ぜひプロの心をくすぐるようなお客様像を演じてみてください。

その上でこれからの記事を参考にして満足できる部屋探しをしてもらえたら…と思います。

敷金よ戻ってこい!入居後気を付けるべき住まいのポイント3つ

賃貸借契約において大きなトラブルが発生するとしたらそれは、敷金返還と原状回復にまつわるものです。退去時に法外な原状回復費用を請求されたケースなどでは裁判による判決も出されています。

原状回復義務は、借りていた部屋を入居前の状態に戻すことと定義されています。でもたとえば新築で借りた物件に住みはじめたとして、退去時に新築の状態に戻すことはできませんよね?議論されているのは「どこまでの状態に、誰の負担で戻すのか」という内容なのです。

また、誰が住んだとしても時間が経てば痛んでいくのは住宅の宿命。自然損耗や経年劣化と呼ばれる痛みの範囲はどこまでなのか?というのも議論の大きなポイントです。

これらには法律による明確な規定がないというのがトラブルの原因なのですが、あまり堅苦しく考えすぎるのも、考えなさすぎるのも問題です。普通に生活していれば、退去時には原状回復に必要な経費のみ請求され、余った敷金はちゃんと戻ってくるのですから。

ここでは信頼できる不動産会社に仲介してもらった物件を正しく契約した場合、ちょっと気を付ければ最後に余計な出費をしなくて済むであろう、住まいの3つの注意点をお伝えします。

まず大前提として、契約書に明記された原状回復の内容は絶対です。ルームクリーニングや畳・襖の交換、鍵の交換など、契約時の約束事は守らなければなりません。

参考までにルームクリーニング料金の相場は1平米あたり1000円前後と言われています。ワンルームなら2~3万円、2部屋から3部屋であれば4~6万円程度になるでしょう。目安にしてみてください。

その上で気を付けるべき3つの注意点の1つ目は、結露によるカビです。

「誰が住んでも痛む」のが自然損耗の定義です。部屋の換気状態が悪く、窓や壁紙、収納内部等にカビを発生させるのは自然損耗にならないケースが多いです。特に壁紙や木目にカビが生えると、掃除をしても落ちないため交換が必要です。範囲によっては交換代が高額になる可能性があります。

特に北側の部屋や、気密性の高い新しめの物件は湿気がこもりやすくなります。市販の湿気取りやエアコンを活用したり、換気をまめにすることでカビを予防しましょう。

2つ目は、過失による傷です。

床に重たいものを落として傷つけた、家具の移動時に壁をえぐった…など、わざとではなくても傷つけてしまうこともあるでしょう。これは傷の程度や不動産会社・大家さんによって判断基準が異なる部分です。修復可能であれば、応急処置をしてそれ以上傷を広げないようにしておくことが大切です。

近年では、床の材質を変更することで床材交換時の範囲を最小限にしたり、汚れの落ちやすい、傷のつきにくい壁紙を使用したりなど、原状回復にかかる負担を減らす工夫がされた物件も増えてきました。

3つ目は、壁に穴をあける場合です。

一か所に集中して大量にということでなければ、画びょうの穴は修繕で済むことが一般的です。ネジやクギの穴は判断が分かれるところですね。どうしても時計やインテリアを壁にかけたい場合、ハンガーレールを使うのがベストです。

室内の壁にレールのようなものが取り付けられていませんか?フックがついていたりして上部にハンガーをひっかけることができるようになっています。ここなら壁にかけても安心です。

以上が3つの注意点です。原状回復と敷金返還は不動産会社や大家さんによって基準が異なる部分であり、一概にこう、と言えるものではありません。ですが入居者として必要最低限の注意を払いながら住んでいれば、退去時には入居者も大家さんもどちらも気持ち良く「ありがとう」と思えるのではないでしょうか?

入居後のトラブル対策は万全?不動産会社によって異なる管理体制

気に入って借りた部屋なのに、入居後しばらくしたら水回りのトラブル、エアコンが故障して使えない…など。あっては困りますが、設備関連の故障や住まいトラブルはどうしてもついて回りますよね。

その後の対応次第では再び快適に過ごせるようになるでしょうし、逆を言えば、たかが故障一つで気に入っていた部屋に不満が溜まってくるかもしれません。

こうした入居後のトラブルにすぐ対応してくれるかどうか、これは物件の管理体制によって大きく異なります。その他にも家賃の支払い忘れ、入居中の困りごと、そして退去の連絡などは一体誰に相談すればいいのでしょうか?不動産会社の分類ごとに管理体制の特徴をご説明します。

まずは、大手賃貸不動産会社で契約した場合です。

全国に支店がある名の知れた大手不動産会社は、子会社もしくは関連会社に自社物件の管理専門会社を持っている場合がほとんどです。部屋探しから入居までは不動産会社、入居後から退去までは管理会社とキッチリ分業していて、すべての対応を一貫して任せることができます。

設備の故障対応や近隣の生活音・違法駐車等の敷地や建物内のトラブル、家賃の支払や退去の連絡まですべて、管理会社へ連絡することになります。通常コールセンターを設け24時間365日体制で管理していますから、連絡後の対応も比較的早く、入居後の安心度はダントツに高いと言えるでしょう。

次に、フランチャイズ系不動産会社、一部の地場不動産会社での契約の場合です。

こちらは管理体制がまちまちで、不動産会社のみならず大家さんによっても管理体制が異なっていますから、契約時の確認が必須です。近年多くみられるのは、管理専門会社と契約し一部の管理業務を依頼しているケースです。

主に家賃集金や保証だけは管理会社に依頼していることが多く、家賃の支払は大家さんの口座への振込ではないことも。もしうっかり払い忘れた時は不動産会社でも大家さんでもなく集金専門の管理会社へ連絡する必要があるかもしれません。

いずれにしても特に明記がなければ、設備の故障や近隣トラブルなどには、不動産会社が窓口となり大家さんが直接対応することが多いでしょう。大家さんに相談するのは気が引ける…ということであれば契約した不動産会社に一度連絡してみましょう。ただし不動産会社の定休日や長期休暇などには注意が必要です。

そして最後は、地場不動産会社の場合です。

ほとんど全てが大家さん次第、もしくは境界があいまいというのが大半の地場不動産会社の特徴です。

毎月の家賃は大家さんの口座へ振込でも、払い忘れの場合は不動産会社で預かる、設備故障の連絡は不動産会社で受けるが修理に来るのは大家さんを通した業者とか、もしくは大家さんが全部一手に引き受ける場合もありますね。

あまり細かい規定がない場合が多いので、不動産会社でも大家さんでも話しやすい方に相談しましょう。

地場不動産会社や大家さん直接管理の場合、早い対応は望めないことがあります。夜間休日、長期休暇などに起きたトラブルは連絡がつかず困ることもあるでしょう。住まいのトラブルは緊急であれば有料のサービス会社を利用するのも手ですし、応急処置や軽微な修理などは自分でできればベストです。

ただし近隣のトラブルだけは、できるだけ自分で対処しないのが鉄則です。大家さんであれ不動産会社であれ、必ず間に入ってもらうようにしましょう。さらに大きな問題に発展しかねないからです。

管理体制によって連絡先が違うのはもちろん、入居者に求められる対応も異なります。物件だけでなく入居後の管理体制も視野に入れて不動産会社を選べば、部屋探しは完璧です!

実録!契約から入居の常識非常識~こんな失敗ありました

いろいろ悩んで決めた物件を無事契約し、やっと新居に住める!荷造りや家財の買い増し…やることいっぱいで頭が混乱。引越直前は本当にせわしいですよね。物件の契約が済むと、忙しさのあまりつい気が抜けてしまいがちにもなりますが、実はトラブルが多いのは契約後~入居直後なんです。

元不動産屋が経験した契約~入居直後のトラブル実例から、「常識だと思っていたことが実はそうではなかった」という勘違いが元で生まれるトラブルを学び、ぜひ未然に防いでもらえたら、と思います。

ケース1:実は契約が完了していない?

契約金の振込時、振込手数料を差し引いて入金したために契約金が不足してしまった、住民票や印鑑証明書の有効期限が切れていた等により、入居日までに契約完了できなかったという事例です。

契約金と契約書類を全て揃えて初めて契約締結です。契約が完了しなければ部屋の鍵をもらえないのは当然のこと。少しくらい遅れても…という考えはトラブルの元です。余裕を持って早めに書類を準備する、提出書類や契約金の入金方法は必ずチェックしておくなど、気を抜かずに手続きを進めることが重要です。

ケース2:え?まだ荷物入れちゃダメなの?

鍵の引き渡しは、必ずしも入居日(契約開始日)当日とは限りません。不動産会社とお客様双方の都合を擦り合わせた結果、事前に鍵をもらえることもあるでしょう。しかし入居日以前に鍵をもらったからといって、その日から住めると思ったら大きな間違いです。

家賃が発生するは入居日からですから、基本的に荷物を運んだりするのは家賃発生日以降というのがマナーですよね。そういう意味で、お客様と入居日を決めるときには「荷物を入れたいのはいつからですか?」と聞くようにしていました。そうすれば引越日よりも前に、掃除をしたり簡単な荷物を入れられますよね。

また、物件にかける火災(家財)保険の適用開始も当然入居日となります。万が一、入居日前に部屋に入って何かあったら、損害を被ることにもなりかねません。

ケース3:水が出ないんですけど…

これも非常によくあるトラブルです。電気・水道・ガスなどのライフラインは通常、事前に使用開始の届け出が必要です。物件によって、また不動産会社によっても異なりますが、入居日からライフラインを使えるようにするにはどうすれば良いか、不動産会社に確認を取ることが大切です。

特にガスは、ガス会社の立会いの下で開栓手続きをします。事前に立会い日の予約をしなければいけません。特に繁忙期や土日祝日は思ったように予約が取れない可能性もありますので、できるだけ早めに予約を取ることをおススメします。

引越当日、ガスが使えなくてお風呂に入れなかったお客様をたくさん見てきました。真夏の引っ越しで、ガックリ肩を落とすお客様の後ろ姿は、見ていられないくらいかわいそうでしたよ。

ケース4:初月から家賃滞納?

家賃が口座引き落としでの支払いの場合に多いトラブルですが、契約書類に銀行印を間違えて捺印した、または不鮮明だったために、初回の家賃引き落としが間に合わず滞納となるケースです。これも契約の段階で確認すれば防げるトラブルになりますから十分注意しましょうね。

さらに、最初の家賃は契約金に含まれていたはずだと勘違いしていたお客様もいらっしゃいました。支払った契約金に含まれる家賃は何月分なのか、内訳を見て良く確認しておきましょう。初めての家賃の支払は勘違い、または忘れていたことによる滞納が非常に多いです。

これらの失敗例はどれも確認さえしておけば防げるものです。せっかくの新居に気持ち良く住むために、最後まで気を抜かずにチェックしましょうね。

知らなかったじゃ済まされない?契約書は「特約」がポイント

賃貸借契約書にどんな内容が記載されているのかをすぐに言える人はなかなかいないと思います。むしろ賃貸物件の契約をしたことがあっても、契約書類の内容をほとんど見ずに署名捺印していることも多いのでは?

署名捺印には「この内容を間違いなく承諾しました」という意味があります。あとになって「そんなの聞いてない!」は通用しないのです。

契約書類を読みたくない気持ちはわかります。細かくて何が書いてあるのかさっぱりわからない…しかし良い不動産会社ほど、契約書は細かく丁寧に、誤解のないように作成されています。本当に確認すべき大事な部分だけしっかり理解すればOK。今回は、契約書の最も重要なポイント「特約」についてお話しします。

賃貸借契約書には通常、物件の概要や契約内容・期間、大家さんの情報、家賃支払い先や入居後の管理連絡先などが記載されています。このあたりはわかりやすいので目を通して理解しましょう。

特約事項とは契約書の一番最後に記載されるものです。貸主と借主の間だけの約束事、つまりイレギュラーな内容が書かれているんです。特に注意が必要な確認事項をいくつかご紹介します。

まずは、解約(退去)に関する特約です。

通常、貸主(大家さん)からの解約の申し出は6か月前、借主(入居者)からの申し出は1~2ヶ月前であるのが一般的です。退去の連絡をしてから1~2ヵ月分の家賃は絶対に発生しますというものです。日割りで計算してくれる場合と月ごとの計算の場合がありますから、事前に確認しておきましょう。

稀なケースですが、もし貸主からの申し出が6ヶ月よりも短い期間になっていれば要注意です。これは借主に不利な特約ですからよく読んでおきましょうね。

次が契約更新に関する特約です。

賃貸借契約期間は2年です。解約の申し出がない限り2年ごとに更新します。更新時には契約書の再締結と、更新事務手数料がかかる場合があります。通常は家賃の1ヶ月分程度を手数料として支払うことになりますが、これも不動産会社によって異なる特約で、更新料不要の不動産会社も多いですからよく選びましょう。

そして、違約金に関する特約です。

フリーレントを利用する場合には、短期解約違約金の特約が入ります。たとえば1年未満での解約は違約金として△△円を解約時に支払うものとする、といった文言になっています。

勘違いされている方が多いのですが、フリーレント物件でなければ、2年の賃貸借契約期間の途中での退去には違約金は発生しません。解約予告期間(1~2ヶ月前)さえ守っていればいつ退去しても大丈夫です。短気解約違約金とごっちゃにしないよう注意が必要です。

最後が敷金と原状回復に関する特約です。

退去時に入居者が負担しなければならない内容が記載されています、軽微な修繕、たとえば畳や襖の交換・表替え、ルームクリーニング料などが細かく記載されます。ここは不動産会社や大家さんによって大きく異なる内容ですから、一番の確認ポイントです。

敷金がある物件であれば敷金の精算方法、敷金ゼロの物件であれば原状回復費用の精算方法なども記載がありますので、よく読んで、わからないことは質問し、きっちり理解したうえで署名捺印してくださいね。

その他にも、ペットの飼育に関するものやピアノ・石油ストーブの使用に関する注意事項などもありますので確認してみてください。

「契約」というのは原則的に、甲乙双方の合意があればどんな内容でも結ぶことができるものです。何度もお伝えしますが契約書の署名捺印は、そこに書かれた内容に合意をしましたという意味であることを忘れてはいけません。